Midori Kido
この2ヶ月間は私の人生で初めてといえるほど密度の濃い毎日の連続でした。日本では寿司職人になるということは、下積みから初めてやっと一人前の職人といえるようになるためには何年もの修行が必要で、ましてや私のように中年の女性が寿司職人をめざす、というのはまったくの夢物語、不可能と思われています。それがこの2ヶ月間、毎日一つ一つ先生の見本通りにやってみては試行錯誤、練習の積み重ねでなんとか寿司職人の第一歩を踏み出せるようにまでなりました。以前は魚もフィッシュデパートメントの人にフィレにしてもらっていた私が大きいハマチや鯛を下ろし、まぐろやサーモンをサクに切ってにぎりや巻物を作れるまでになりました。そして毎晩、夜のひと時は何丁かある包丁を砥石で研ぐ静かな時間を楽しみながら、たった包丁一丁研ぐのがどんなに難しくまた奥が深いか、ということも学びました。学校から出かけたケータリングの大きなパーティーも実際にお客様がおいしいって喜んでくださったのを実感できて大変いい勉強にもなりました。これからはやはり手に職がないと生きていくのがより難しい時代かもしれません。それでお料理も食べることも大好きな私はこの寿司職人になる道を今さらながら選んでトライしてみて、本当によかったと思っています。これからはどんな方からも信頼される寿司職人と言われるようになるために引き続き学校で学んだ基本を忘れず、さらに仕事の場でいかして前へ進んでいけたらと思っています。学校では男女の区別無く、若い子も年を取ったかたも皆一つの目標に向かって励ましあって進んでこれて、今日皆で卒業でき、それぞれ寿司職人としての一歩を踏み出していけたことは、すべて忍耐強く教えてくださったアンディ先生とニック先生のおかげです。ほんとうにありがとうございました。
また紹介して頂いたレストランには、さっそく連絡を取ってその後をご報告させていただきます。重ねてありがとうございました。 この2ヶ月間はほんとうに毎日が楽しくあっという間に過ぎてしまって、もう月曜日から学校に行けないのが寂しいです
貴戸みどり
English translation comes soon.